2011年10月21日
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三百字小説『三つ巴メイド燃え』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 3人のメイドがいた。メイド達は、ご主人様のお気に入りの壺を磨こうと火花を散らした。これを磨いた者こそが、最もご主人様に気に入られたメイドなのだ。

 燃え上がるメイド3人のバトルに誰も近づけなかった。

 ある日、ついに決着が着く時が来た。3人のメイドとご主人様が、壺の前で顔を合わせたのだ。

 「今日こそはっきりさせてください。いちばんご主人様が気に入っているのは誰なのですか!」

 「この娘に決まっている」ご主人様が指さしたのは、どのメイドでもなく、お気に入りの壺であった。

 「ああ、この娘ほど官能的で美しい壺はない!」

 そしてその日、お屋敷から3人の退職者が出た。

(遠野秋彦・作 ©2011 TOHNO, Akihiko)

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